医療系スタートアップのカケハシ、約26億円の資金調達を実施――調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi」の強化へ
調剤薬局向けに次世代電子薬歴システム「Musubi」を提供する株式会社カケハシは、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資により総額約26億円の資金調達を完了したと発表した。引受先となったのは、伊藤忠商事、電通ベンチャーズ、アフラック・イノベーション・パートナーズ、みずほキャピタル、およびDNX Venturesやグロービス・キャピタル・パートナーズをはじめとする既存株主だ。今回の資金調達により、累計調達額は約37億円となる。
資金調達の目的
調達した資金のうちの大半は、既存事業である調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi」の拡大に充てる。また、新規事業の創出に必要な人材獲得にも資金を投下していくという。カケハシは、「日本の医療体験を、しなやかに」をミッションに、日本の医療をより良くより確かなものとして次世代へつないでいくエコシステム構築を目指している。今後も、医療従事者やパートナー企業とともに事業を推進していくという。
<本第三者割当増資における引受先一覧(順不同)>
【新規引受先】
・伊藤忠商事株式会社
・電通ベンチャーズ
・アフラック・イノベーション・パートナーズ合同会社(※Aflac Ventures LLC.を通じて出資)
・みずほキャピタル株式会社
【既存引受先】
・DNX Ventures
・グロービス・キャピタル・パートナーズ
・STRIVE
・伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社
・千葉道場2号投資事業有限責任組合
・Coral Capital(旧500 Startups Japan)
・SMBCベンチャーキャピタル株式会社
引受先代表者のコメント
■ 伊藤忠商事 ビジネス開発・推進部長 藤岡 俊彦 氏
医薬品・調剤薬局業界に精通する当社は、非常に競争力の高いMusubiシステムを通じて調剤薬局オペレーション全体の効率化・高付加価値化を実現し、急速にユーザー数を増やしています。 伊藤忠商事は当社への全面的な支援を通じて国内調剤薬局市場に参入し、日本の医療効率化に貢献してまいります。
■ 電通ベンチャーズ マネージングパートナー 笹本 康太郎 氏
次世代ヘルスケアエコシステムの確立に向け、高い志と情熱を持ちながら、他方で着実に事業を推進していくことのできるカケハシ社の素晴らしいチームに大いに期待しています。電通ベンチャーズとしても、様々な面で出来る限りのサポートをさせていただけることを楽しみにしています。
■ アフラック・イノベーション・パートナーズ シニアアソシエイト 鈴木 和裕 氏
急成長で業界をリードされているカケハシ社に出資できることを光栄に思います。当社は、Musubi事業とアフラックが構想するCancer Ecosystemとの連携を見据え、出資をさせていただきました。アフラックはカケハシ社との中長期的なパートナーシップを通じて、がん検診の受診勧奨や再発予防に繋がる新規事業の創出を加速して参ります。
■ みずほキャピタル インベストメントマネジャー 福島 和也 氏
日本の医療の未来を真剣に考え行動する、中尾社長をはじめとするカケハシ社の想いに感銘し、今回投資をさせていただきました。新たな顧客価値を提供するカケハシ社が、多くの人に支持される未来が来ることを確信しております。みずほキャピタルは、みずほフィナンシャルグループ各社と共に、カケハシ社の次世代型電子薬歴システムの展開を全力でサポートして参ります。
■ DNX Ventures マネージングディレクター 倉林 陽 氏
カケハシ社は日本の業界特化型SaaSベンチャー企業の代表的存在として、薬局業界のお客様、患者様の目線に立ったサービスを展開し、Customer Successを実現してきました。今回の大型Series Bによる資金を活用し、テクノロジーによる新たな価値も提供しながら、更なる業界変革の担い手になって頂きたいと思います。
■ グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクター 福島 智史 氏
ヘルスケアITの世界においては、効率性や合理性のみならず患者理解・現場理解に根差したサービスであることが重要です。カケハシ社はこの両面を体現しうる稀有な存在と認識しています。今回の資金調達を契機に医療従事者やパートナー企業の皆様と共に、新時代の医療体験をこれまで以上に実現していくことを期待しています。
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(eiicon編集部)