スワローインキュベート、HONDA特許活用の「人物検出技術」を提供開始
イノベーターやテクノロジーにフォーカスしたニュースメディア「TECHWAVE」とeiiconによるコラボレーション企画がスタート。国内外のオープンイノベーションにまつわるトピックを紹介していきます。
茨城県つくば市に本社を構えるテクノロジーベンチャー「スワローインキュベート」(2013年12月創業)が、続々とヒューマンセンシング技術を公開している。
2020年2月18日に提供を開始した「人物検出技術」は、本田技研工業が保有する特許技術やノウハウを活用しており、API(機能を外部から利用できるようにするインターフェース)を提供するほか、ウェブアプリやSDK(ソフトウェア開発キット)も提供する。
(図:同社公開の人物検出時の動画 https://youtu.be/kLGg-wU4nDw)
通行量調査のように、人を配置してカウンターで計測するような作業を代替するのはもちろん、ロボットやIoTデバイスと連携して安全性を担保するなど応用範囲はさまざま。
APIやウェブアプリ提供により来店数や歩行量などの調査にも手軽に導入可能。その際に懸念されるプライバシー保護も人物を塗りつぶしするなどの配慮が成されている。
集計や分析は専用のウェブから行うことが可能で、導線分析などにも応用できる。
大手企業の技術を応用する異色のオープンイノベーション
実はこのスワローインキュベート社、今回提供を開始した人物検出技術のみならず、人の検出に関係するさまざなな技術を大手企業のパテントを応用して提供している。
現時点で提供しているヒューマンセンシング技術は6つ。
・人物検出技術
https://humandetect.pas-ta.io/
・視線検出技術
・生体判定技術
・目検出技術
・虹彩認証技術
・音声感情認識技術
すべて本田技術研究所やパナソニックといった大手企業がもつ特許技術やノウハウを活用しており、かつスワローインキュベートならではの独自のAIアルゴリズムで競争優位性を高めているほか、ハードウェアの開発力も兼ね備えており、総合力でヒューマンセンシングによる課題解決事業を展開している。
【関連URL】
・株式会社スワローインキュベート
僕はこう思ったッス by 増田(maskin)真樹@TechWave
日本でドライブ感のある“オープンイノベーション”といえば大企業が中心となり社内外を巻き込んで事業アイディアを募るパターン。しかし、組織的に柔軟性とスピード感のあるスタートアップにはむしろ、適切な道具を与えて使いこなすだけでなく、未知の発想を自由に生み出してもらうほうが鋭いイノベーションへと醸成しやすい。
1990年代初頭から記者としてまた起業家として30年以上にわたりIT業界のハードウェアからソフトウェアの事業創出に関わる。シリコンバレーやEU等でのスタートアップを経験。日本ではネットエイジに所属、大手企業の新規事業創出に協力。ブログやSNS、LINEなどの誕生から普及成長までを最前線で見てきた生き字引として注目される。通信キャリアのニュースポータルの創業デスクとして数億PV事業に。世界最大IT系メディア(スペイン)の元日本編集長を経て現在に至る。