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【コラム】社内新規事業プログラムの実践“中”事例(4)〜パーソルグループ「0to1」/社内起業プログラムの起案に対するフィードバックポイント︎

【コラム】社内新規事業プログラムの実践“中”事例(4)〜パーソルグループ「0to1」/社内起業プログラムの起案に対するフィードバックポイント︎

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【コラム執筆者 プロフィール】 長島威年(ながしま たけとし)

2006年、株式会社パーソルキャリア(旧インテリジェンス)に新卒入社。営業、転職サイトDODAの求人広告ライター/ディレクター、編集、CRMマーケティングを経験。2014年に組織開発/人材開発へ。2016年にパーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)に出向・転籍。2017年より新規事業プログラム「0to1(ゼロトゥワン)」を担当。

本記事の位置づけ

新規事業担当者としては経験が少ないですが、以下2点を願い全5回の記事を書きます。(本記事は第4回目)

・新規事業担当者のみなさまに少しでも役立つ情報を伝えたい

・アントレプレナー、イントラプレナー、投資家のみなさまと新規事業創出について様々な仕組みをより良くするための議論・意見交換をしたい

今や書籍やWebでは「社内新規事業の成功・失敗ノウハウ」のようなものは溢れているので、一般的なフレームワークというよりは、まさに現在進行形で実践中の内容をメインに生の情報をお伝えしていきたいと思います。新規事業の成功率が1000分の3(センミツ)と言われる中、正解がない取り組みですので、議論・意見交換の材料になれば嬉しいです。(執筆者とコンタクトを取りたい方は、Facebookを通じてご連絡ください)

<過去記事紹介/第1回記事> 社内新規事業プログラムの実践“中”事例 https://eiicon.net/articles/297

<過去記事紹介/第2回記事> 社内新規事業プログラムの実践“中”事例 https://eiicon.net/articles/317

<過去記事紹介/第3回記事> 社内新規事業プログラムの実践“中”事例 https://eiicon.net/articles/343

第4回となる今回は、「社内起業プログラムの起案に対するフィードバックポイント」を記載します!

フィードバック(FB)が社内新規事業プログラムの鍵!

社内新規事業プログラム「0to1」を実践する中で、「事務局から起案者」「審査員から起案者」「外部講師から起案者」「起案者同士」などの間で起きるFBを見ながらその重要性を感じています。FBがうまく機能すれば良いですが、うまくいかない場合、起案者のモチベーションを奪うという悪い作用も起きかねません。そこで、2017年度に150組以上の起案者と接してきた経験の中で、重要なポイントを3つお伝えします。

1.スコープを広げる ⇔ 狭める

<スコープを広げるFB>

審査時に顧客(ターゲット)、課題設定、解決策、提供価値の考えている範囲が狭いと感じるケースがあります。例えば、「ランニングアプリでポイントを溜められ、運動不足解消をしながらモノが買える」という起案があったとします。FBポイントは、起案者の思考の中に運動不足解消=ランニングという前提があると仮説立てし、「運動不足解消をするためにランニングを選んだ意図」を確認、他の選択肢を考えた上での起案か、単なる思いつきで思考が止まっているのかを確認します。選択肢を狭めていったプロセスに論理的一貫性があればOK、なければそこをFBします。一度、選択肢や視野を広げることがポイントです。

<スコープを狭めるFB>

抽象的なものを具体化するFBです。例えば、「若手社員に対して社内の先輩社員が講師となり安価で学習機会を提供する」という起案があったとします。FBポイントとしては、「20代前半の中でも、新卒/中途、営業職/企画職、成果を出している/出していない、学習意欲が高い/低いなど具体的にはどこがターゲットか?」など、具体化されていない点をFBします。また、解決策に関しても、競合がいる場合には競合比較した際の優位性を明確に、競合がいない場合は競合が参入していない構造的背景・理由を明らかにした上でその具体的&実現可能性のある解決方法があればOK、なければそこをFBします。

2.想い(原点)に立ち返る ⇔ 市場のニーズに合わせる

想いからスタートしたアイデアも、マネタイズ(収益化)を考える過程で市場に合わせることが必要になります。ビジネスモデルを考え、実現可能なアイデアにしていくことはもちろん大切ですが、気がつくと自分の想いと遠ざかっているケースが少なくありません。

例えば、「金融リテラシーの高い個人を増やしたい」という想いからスタートした起案が、途中からマネタイズ(収益化)を考えるあまり「金融商品を販売したい法人顧客に向けたサービス」に変わってしまったことがありました。いつの間にか手段が目的化してしまうというのはよくあることです。そして多くの場合、起案者本人では気づくことはできません。FBでは、市場のニーズに合っているか、かといって想いと遠ざかっていないか、その両方の視点から、見直すことが大切です。

3.納得感 ⇔ 動機付け

最後に、良いFBとは何なのか?を考えました。良いFBとは相手に納得感を醸成し、動機づけをすることで、探究を後押しするものだと感じています。FBを受け取らずに修正しないのは、納得感がないから。FB通りのことしか反映されないのは動機づけができていないから。FBをした以上のアウトプットになって返ってくるのが本当に良いFBなのだと思います。

簡単ではありませんが、起案者へのリスペクトを持ちながら、「どうすればもっといい起案になるのか」を共に考えていくことが何よりも大切な心構えなのかもしれません。

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    社内新規事業プログラムの実践“中”事例〜パーソルグループ「0to1」

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