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【特集インタビュー】 24時間365日「新規事業開発」に関わり続ける目で見た、真のオープンイノベーションとは。(後編)

【特集インタビュー】 24時間365日「新規事業開発」に関わり続ける目で見た、真のオープンイノベーションとは。(後編)

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麻生氏のインタビュー前編ではリクルートと高知県庁/長野県塩尻市が「地方創生」をテーマに結んだ業務連携協定の事例から、自社の新規事業開発の仕組み作りの重要性をお話しいただいた。後編では麻生氏が所長を務めるTECH LAB PAAKについて伺い、真のオープンイノベーションとは何かをひも解いていく。 ■麻生 要一氏 プロフィール 2006年4月にリクルート新卒入社。独立・起業情報誌「アントレ」の広告営業に2年間従事した後、社内新規事業コンテスト「New Ring」で受賞。2010年に株式会社ニジボックス設立。2014年、TECH LAB PAAKの所長に就任。また、2015年には株式会社リクルートホールディングス 事業開発室 室長 兼 事業育成機関Media Technology Lab.の室長にも就任している。

■新しい風を入れるための「場」作りに専念するべき。

——TECH LAB PAAKは一言で言うと、イノベーターのためのコミュニティスペースですよね。  麻生:そうです。会員制のコワーキングスペースと考えてもらって良いですが、会員になるには厳正な審査があります。審査をパスした入居者の中には上場を目指すスタートアップ、NPO法人、研究者、大学院生など多様な層が集まっています。年齢も下は20歳から上は定年退職後の60代の方まで幅広く、業界の重鎮の方々からは“日本でここにしかないイノベーターコミュニティがある”と高い評価をいただいています。入居者がVCと出会い、出資が決まり新しいプロジェクトが生まれるということが日常的に起きている場所です。 ——まさにオープンイノベーションですね。  麻生:そうです。外部との接点をなくして斬新なものが生まれるということは理論的にあり得ないと思っています。その接点を最大化させるための僕たちのこの行動が、日本のイノベーションの土台づくりの一助になれば冥利に尽きる思いです。 ——確かに、社内だけで新しいアイデアを出すには限界がありますね。  麻生:どの企業も同じだと思いますが、社員に「何か新しいこと考えて」と言っても大体は似てきてしまいます。事業内容とか根付いている企業カルチャーがあるので、まるっきり新しいアイデアというのは出ない。自社にない新しい風を入れる必要があって、そのためにやってきたことが結果的にオープンイノベーションになっているという感じですね。

■場所はどこにでもある。とにかく外に出てみることが一歩。

——その実証の一つがTECH LAB PAAKなんですね。前編でお話しいただいた地方創生も、イノベーションが起こる「場」を作ることの重要性という点で共通している気がします。場作りに関してのアドバイスはありますか?  麻生:リクルートではこういう活動が承認されていますが、場所は必ずしも自社で作る必要はないと思います。場所なんてどこにでもあります。勉強会とか異業種交流会に積極的に参加してみるのがいいと思います。新しい風は外部と繋がらない限り入らないので、担当者は従業員のアントレプレナーシップを高める意味でも積極的な行動が必要です。そういう場所で、将来何かの化学反応を起こせそうな人とコミュニティを作っていく。そしてそのコミュニティは前編でお伝えしたように、目的をシャープにし過ぎないことがポイントです。ここのバランスが肝ですね。 ——なるほど。 麻生:目的もなく楽しむだけではただの飲み会と同じですから。「オープンイノベーションだ!」とか「○○を広めよう!」ではなく、自分でも想像し得ない新しい「何か」に向かっていく姿勢で外と接点を作ることが、真のオープンイノベーションになると思います。 〈リクルートの事例から学ぶ、真のオープンイノベーションを起こすノウハウ〉 ■ イノベーションが起こる「場」作り、ないしその場所へまずは出向く。 ■ 出会った人とは目的をシャープにし過ぎず関係性を築く。 ■ まずは新規事業。自社の新規事業開発システムや開発後のサポート態勢があってこそイノベーションに価値が生まれる。 ■ 外との接点をなくしてイノベーションは生まれない。担当者は常に社内に外の風を入れることを心がける。  (構成:眞田幸剛、取材・文:石崎もえみ、撮影:加藤武俊)


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