置き配バッグOKIPPAの「Yper」が3.5億円の資金調達、再配達削減へ加速
物流系ITスタートアップであるYperは4月24日、ニッセイ・キャピタルとみずほキャピタルを引受先とした、3.5億円の第三者割当増資(シリーズAラウンド)を実施した。同日、同業の配送系アプリ「荷物管理/荷物管理Lite」の吸収合併も発表し、新たにアプリ名を「荷物管理OKIPPA」として、機能拡充と利用者数の拡大を目指す。
同社は、OKIPPAの普及によって、今年中に国内の再配達率を10%未満に引き下げることを目指しており、今回の資金調達によりバッグ量産体制の整備と人材採用および経営体制の強化を図る。
Yperと置き配バッグOKIPPA
Yperは2017年8月に設立され、日本の再配達問題解決のため、スペースがなくても設置可能なスマホ連動型置き配バッグOKIPPA(簡易宅配ボックス)を展開している。
2018年9月下旬から一般販売を開始して、現在、OKIPPAバッグの累計販売数は全国で1万個を突破している。2019年3月、国土交通省と経済産業省が新設した置き配検討会にもスタートアップとしては唯一、委員として参画。今回の資金調達で、6月以降、月産数十万個単位で生産可能な量産体制を整備してOKIPPAユーザーの拡大を図る。
置き配バッグは、通常の置き配(宅配物を玄関前にダンボールのまま置く方法)と堅牢な宅配ボックスの中間に位置し、スペースのない場所にも手軽に宅配ボックス環境を提供できる製品である。収納時は手のひらサイズまで折りたたみ可能で、設置工事は発生せず、女性でも簡単に取り付けが可能。OKIPPAには、専用のアプリがあり、OKIPPAバッグに荷物が預入されるとアプリに通知が入る仕組みだ。万が一、再配達になった場合も再配達依頼をアプリから簡単に完了することが可能。盗難が心配な場合には、アプリプレミアムプランの一つである置き配保険(東京海上日動と共同開発)で盗難補償も利用可能である。
荷物管理アプリの吸収合併と新生アプリ「荷物管理OKIPPA」
今回、OKIPPAは「荷物管理/荷物管理Lite」を吸収して、ユーザーの統合と機能拡充を進める。荷物管理は2016年8月にサービスを開始し、iOS のユーティリティ部門16位獲得実績があり、高いユーザー評価4.6(計1400評価, 4/24時点)を獲得している人気のアプリ。
運営者のBonzeBoyは、合併後にそのままYperの開発体制に加わり、引き続き、新生アプリの開発に参画する。
BonzeBoy代表は、今回の合併に関して「今までの荷物管理アプリの開発で培ったノウハウを活かし、使いやすいく手に馴染むアプリとなるように引き続き関わっていきたい。OKIPPAの強力な開発体制に統合されることで、新たな機能の提供やOKIPPA置き配バッグとの連携など、これまでの体制では実現できなかった魅力的なサービスを提供できると思います。」としている。
今回の統合により、アプリとロゴのデザインも刷新しており、より使いやすいアプリとして開発を進めてゆく。
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(eiicon編集部)