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なぜ国境を越えたオープンイノベーションが必要なのか? 日中オープンイノベーション・プグラムを通じて理解したこと

なぜ国境を越えたオープンイノベーションが必要なのか? 日中オープンイノベーション・プグラムを通じて理解したこと

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白井良

日本人の年間平均総労働時間は2000時間程度と言われており、欧米と比べて長い傾向があります。欧米は1500時間程度の労働で2%前後の成長率を維持していますが、日本の実質成長率は0.5%程度です。

かつての“ジャパン・アズ・ナンバーワン”はすでに形骸化しており、多くの人はその現実を理解しつつも「傍観している」という状態です。

こうした負の状態から脱却をはかるためには、まず「世界で何が起きているのか?」という現実を知る必要があります。データ王者であるアメリカの「GAFA」や中国の「BATH」は、世界の時価総額トップに君臨しています。実際に彼らを生んだシリコンバレーや深セン等のエリアでは、スタートアップが熾烈な争いを繰り広げており、多産多死を繰り返しています。そのことがものすごいエネルギーとなり、エコシステム形成を急速に進めているのです。

私は日本が失ったものとして、「大きな考えをもとにつくられたビジョン」だと思っています。膨大な情報がメディアという色眼鏡を通してインプットされ、知識という道具だけが重要視されているようです。流行りのビジネス用語を知らない人が劣っているような感覚になってしまいます。小さく綺麗にまとまったものが美しい、とされているような気がしてなりません。それでは日本が小さくまとまった美しい小さな国になってしまいます(それはそれで良いのかもしれませんが……)。

もちろん、トレンドを把握するための情報収集は大事な作業ですが、どのような情報が正しいのかは、実際に自分で目で見て体感してみないとわからないものです。ガラパゴス化が進んだ日本では、乱立するメディアによる情報のシャワーを浴びることしかできない状況です。忙しい毎日の中、外に出てリアルな情報を得るという当たり前のことが難しいので、ネット上の情報を貪り、どれが本当の情報かも判断できずにいます。

例えば、現在も行われている香港での騒動について言えば、一部エリアで事前にデモ活動をすることを発表した上で行われているものなのですが、日本のメディアを通して見ると、まるで香港全土が地獄と化しているように見えてしまいます。しかし、実際に香港に住んでいる人に状況を聞いてみると、いつも通り平和に過ごしています。さらには高級ホテルがいつもの7割引で泊まれて、テーマパーク等もガラガラな状況なので、今はまさに穴場の観光地となっていたりもします。

アメリカや中国などのIT企業がここ20年で大幅な成長を実現し、一方で日本がグローバル競争から取り残されている背景を、実際に理解する必要があります。

(写真:中国の深センで開催の日中アクセラレーションプログラムでのイベントで、熱く語る中国スタートアップ)

日本と中国の若者の違い

最近、日本の若者(特に20代)の間に大きな格差が生じていることに関して思うことがあります。自分の頭で考え行動していける人は、恵まれた環境の中でどんどん伸びていきますが、その一方で多くの若者が将来に希望を持てず、情報の海でさまよい、思考停止状態に陥っているような気がしてなりません。

就職先を選ぶときも、給与や待遇等を重視し、その会社の将来性など考えていない人が多いような気がしています。

弊社(ホワイトホール)は海外5拠点で活動をしていますが、特に中国で面接をすると日本との違いに驚かされます。面接に来る20代の若者でも、必ず会社のビジョンや経営戦略等を自ら率先して聞いてくるのです。決して給与や待遇、規模だけで判断せず、会社の理念に対して自分が納得でき、事業に対して興味が持てるのであれば入社するという人がほとんどなのです。

なぜこのような違いが生じるのでしょうか? それは日本のマーケットが縮小する中、将来に希望を見出せないことが大きいかと思います。

・日本のマーケットが縮小していく状況で大きなビジョンが描けない。
・大きなビジョンが描けないから日本自体が萎縮していく。

この悪循環のパターンから早く抜け出さないと、日本経済の急落は時間の問題です。

それではどのようにこの状況から抜け出せば良いのか?

私の意見では、「海外」という選択肢しかないと思います。国境を越え、考え方の異なる人たちと積極的に交流し、ダイバーシティによるイノベーションを生み出すしかない、と考えています。実際に中国の若者たちと一緒にプロジェクトを起こしてみれば、考え方の違いが手に取るようにわかります。彼ら・彼女らの良いところをダイバーシティのもと素直に受け入れることができれば、個々の成長につながり、結果として会社や日本の成長にもつながります。もしかしたら世界を救う新しい価値さえも生み出せるかもしれません。

現在進行形で私たちは日本の大手企業と中国のスタートアップをつなぎ、新しい事業をつくるプログラムを実施しています。最初はお互いがまるで違う生き物といった感覚で始まるのですが、ディスカッションや交流等を繰り返す内に徐々に融合していき、考えもしなかった斬新なアイディアが生まれてくることがあります。それはそれまでの苦労を凌駕するような大きな喜びとなります。

実際に行動に移すことはとてもハードルが高くて大変なことですが、その過程の中で既成概念が破壊され、新たな思考パターンでものごとを考えることが確実にできるようになります。私はそれが「日本の未来を取り戻す第一歩」だと信じています。

白井良株式会社ホワイトホール

2006年、中国の爆速都市「深セン」にて起業。
現地のリアルな情報を配信するメディアをはじめ、年間1,000人以上が参加する人気の現地視察ビジネスツアーやピッチイベント、調査レポートサービス、クロスボーダーアクセラレータープログラムなど日本企業の事業活性化をサポート。
2019年から株式会社ベクトル(東証一部)からの出資を受け、インドやベトナムにも横展開し、サービス拡大中。

株式会社ホワイトホール

代表取締役

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  • 富田直

    富田直

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