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新規事業制度で2度目のエントリーをさせるためのポイント

新規事業制度で2度目のエントリーをさせるためのポイント

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宮井 弘之

新規事業制度の立ち上げや設計については、これまでも当ブログや『CORPORATE STARTUP BIBLE』で解説してきましたが、新規事業がある程度進み始めている企業も多くなっています。

私自身さまざまなビジネスコンテストや、社内新規事業制度の審査員、大手企業へのアドバイスなどをおこなっていますが、制度設計において最近感じていることを今回はエッセイ的にお話します。

新規事業制度の問題点

新規事業制度は、制度面でいうと、応募したことのない人をエントリーさせたり、起案者を現業から離してプロジェクトに100%アサインさせることなど、新規事業コンテストに通した人のケアは進んでいます。

しかし、多くの企業が見落としがちなのが、エントリーして途中で落ちた人への制度や運用で、ダメな理由と「来年もがんばってください」と口で言われるだけでなく、もう少しカバーすべきだと感じています。何故なら、初めてエントリーする人よりも、2回目エントリーする人のほうが明らかにやる気も内容も精度も高いからです。

つまり、0回の人を1回目にする、通った人をどうにかするということも当然重要ですが、1回エントリーして二次や最終で落ちた人のモチベーションをどう活性化するかという制度が抜けているのです。

そこで、どんな運用でカバーしているかという事例をいくつかご紹介します。

①特別賞を設ける

まず、途中で落ちる人というのは会社としては今回選べないが、特定の部署やメンターが推していた場合が多くあります。その場合は特別賞を設けるなどして、目をつけた人が面倒を見るという、本来のインキュベーションにかなり近い方法をとります。

また、特別賞でも予算をつけてあげるなど、完全な優勝は1人か2人だとしても、特別賞みたいなものを設けることは非常に重要です。

特別賞までいかずとも、関連の役員やトップマネジメントに近い人にプレゼンする機会を設けるのもよいでしょう。現業のアップデートにもつながったり、「うちの部署に来てやってほしい」という話になる可能性もあります。

②同じテーマで追求してくる人を教育する

途中で落ちた人に対して「惜しかった」と伝えることも重要です。

2回目に応募してくる人は、前回とまったく違うテーマで来る人と、まったく同じテーマで追求してくる人の2パターンに分かれます。起業する人のタイプによりますが、アイデアは何でもよいので起業したいタイプなのか、特定のやりたいテーマがはっきりしているタイプかで異なります。

私個人としては、毎回新しいテーマを選ぶ人より、同じテーマで深掘りしようとしている人を拾い上げて教育する制度が必要だと思っています。

テーマにこだわりがある人は、「とにかく起業したい」というわけではないため、ビジネスセンスが弱かったり、営業に対する考え方が甘い場合があります。さらに、こだわりがある分、商品やサービスがマニアックすぎて難しくなってしまうことがあります。

それを一般の人たち向けにビジネスとして開発する長けた人たちに紹介したり、マッチングしてあげるのもよいでしょう。

同じテーマを追求するタイプは一人でおこなっていることも多いため、ビジネスパートナーを紹介し、次のターンはふたりで応募するような制度を作ると、かなり磨かれたものが出てくる可能性があります。

本記事で紹介した内容は弊社blogでも詳しく解説していますが、発売中の『CORPORATE STARTUP BIBLE』でさらに詳細に解説しています。新規事業推進でお悩みの担当者さまはぜひお手にとっていただければ幸いです。

語り:宮井 弘之。SEEDATA代表。

構成・文:松尾里美。SEEDATAエディター。

宮井 弘之株式会社SEEDATA

2002年、博報堂に新卒入社。情報システム部門に配属後、博報堂ブランドイノベーションデザイン局へ。新商品・新サービス・新事業の開発支援に携わり、2015年に社内ベンチャーであるSEEDATAを創業。   【株式会社SEEDATAについて】 2015年に博報堂DYグループ内に設立され、300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークを企業に展開。 “先進的な生活者群(=トライブ)の行動や発言に、隠された心理や価値観を発見することで、5年先の生活者ニーズを明らかにすること”を、ミッションに掲げる。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチで、クライアント企業のイノベーション支援を手がけている。

株式会社SEEDATA

代表取締役CEO

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