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日本におけるオープンイノベーションの課題【後編】

日本におけるオープンイノベーションの課題【後編】

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宮井 弘之

前回は、そもそもイノベーションとは何か、日本におけるオープンイノベーションの課題について解説しました。

その中で出てきたのがマッチングした先の「結び目を見つける」というキーワードです。今回はSEEDATAがおこなったオープンイノベーションの成功事例をもとに、どのような進め方をしていくべきかを解説します。

大切なのは、タイミングとお互いのスピード感

これまでの私の経験でいうと、ある程度大企業がスピード感を持った時にベンチャーと引きあわせる方法をオススメします。

大企業は、検討の段階ではとても時間がかかってしまいますが、ここを助走段階としてSEEDATAが伴走します。そしてある程度スピードに乗ってきたらスタートアップの提案を入れます。

目標はなにかコラボレーションするということなので、「やるぞ」となるちょうどいいタイミングで紹介すれば、まさに「渡りに船」になれるでしょう。

スピード感に関しては、お互いに意外と分かっていない場合が多くあります。経験上、大企業は計画が明確に決まっていないフェーズにおいてはスピードが落ちますが、いざ、実行のフェーズに入るととても早くなります。

また、スタートアップと組むのが初めての大企業の場合、今自分たちがスピードに乗っているのか乗っていないのか自分で気づく事は難しくもあります。

だからこそ、スピードアップする瞬間をわれわれのような第三者が見極める必要があるのではないでしょうか。仲人として伴走し、タイミングを見計らって仕掛ける事が求められているのです。

マッチングが目的のプラットフォームを提供しているだけでは、本当の意味では足りません。マッチングに対する企業のフットワークはもうすでに軽くなっているので簡単ですが、そこから先こそが本当に難しく、だからこそ実行のタイミングまでしっかりと支える事が大切なんです。

現に、失敗するのはタイミングの問題だったということが多く、マッチングに関しては今のままで良いが、「結び目」の作り方をどうするのかを、今後はしっかり考えてく必要があります。

ここで成功事例をお話すると、たとえば、ある大手の製菓メーカーと健康系のスタートアップのコラボレーションにおいては、品質管理の部分で「結び目」を作りました。

その他の大手企業とベンチャーの結び目のヒントとしては、営業網を提供することなどがあります。大きな意味での信用力を提供するといった形でしょうか。

大企業がベンチャーと組む時に特に気をつけるべき点

もちろん、大企業は組む相手を慎重に選ぶ必要があります。

まず見るべきところは社長の経歴、人間性です。会社自体に関しては、よく知らない人が株主に入っていないかをきちんと確認するべきですし、会社をチームで運営しているかどうかも重要です。というのも、1人の場合は途中でドロップアウトする可能性や、病気になった時に替えが効かない場合もあるからです。また、チームで運営している場合、リーダーに求心力があるという風にも解釈できます。

実際にSD/Vでは、起業家予備軍の人たちのアイデアを実現してもらうのですが、上記の点には気を配ってます。

結局、「起業」という観点で切ると、二人以上はいたほうがよいでしょう。人が呼べない人はお客さんも呼べないため、仲間が呼べるということは、サービスが面白いからともとる事ができます。人を巻き込めるかどうかというのは重要な要素です。

また、一概には言えませんが、大手企業側で「これをしたい」という部分がしっかり決まっている場合と、決まっていない場合でも、組むべきベンチャーは違ってきます。

M&Aに近い感じや出資だけで、営業網と結びつけるのであれば、ある程度、ベンチャーがガチガチにやりたい事を持っている場合がいいのではないでしょうか。(了)

オープンイノベーションやイノベーションについては、SEEDATAホームページにさらに詳しく掲載されています。

語り:宮井 弘之。SEEDATA代表。

構成・文:松尾里美。SEEDATAエディター。

宮井 弘之株式会社SEEDATA

2002年、博報堂に新卒入社。情報システム部門に配属後、博報堂ブランドイノベーションデザイン局へ。新商品・新サービス・新事業の開発支援に携わり、2015年に社内ベンチャーであるSEEDATAを創業。   【株式会社SEEDATAについて】 2015年に博報堂DYグループ内に設立され、300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークを企業に展開。 “先進的な生活者群(=トライブ)の行動や発言に、隠された心理や価値観を発見することで、5年先の生活者ニーズを明らかにすること”を、ミッションに掲げる。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチで、クライアント企業のイノベーション支援を手がけている。

株式会社SEEDATA

代表取締役CEO

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