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10本目。

10本目。

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守屋実

こんにちは。新規事業の専門職の守屋です。

eiiconさんに、ブログを書く機会をいただいてから、今回で、10本目。

けっこう書いたなぁ、と思っているのですが、でも、まだたった10本なんですね。いや、ホント、世の中のメディアを創っている人たちって、スゴいんだなぁ、と。ここで書くことなのか分かりませんが、とにかく、メディアを創っているすべての方々、いつも本当にありがとうございます。

さて、折角の区切り(10本目)なので、区切りの良い何かを書きたいなぁ、と思いました。

で、アレコレいい感じに区切りのいい文章を書こう、って思ってしまったのですが、それが間違いでした。そーゆー、自然体じゃない、構えてカッコつけようとすると、筆が進まなくなる(キーボードを打つ手が止まる!?)もんですね。人前で話すときにカッコイイことを言おうとすると、却ってうまくしゃべれなくてカッコ悪くなるのと同じだなぁ、と。(笑)

かっこ良く話したいなら、強くで思っていること、絶対に伝えたいことを、そのまま、話すのがイイ。事業で成功したいなら、本当にやりたいこと、絶対に成し遂げたいことを、トコトン、頑張るのがイイ。そんな感じなのかなぁ、と。

ので、区切りとなんの関係もなくなってしまったのですが、「勝ち筋」について、書いてみたいと思います。

勝ち筋は、とっても大事だと思っていて、事業開発のプロセスは、勝ち筋を創り上げるプロセスだったりするとも思っています。ちなみに、「勝ち筋」の意味合いは、「その事業が成長、成功するための、戦略、手順、セオリー、ストーリー・・・ってなつもりで使っています。でもって、勝ち筋を因数分解(?)すると、以下となります。

・勝ち筋=勝利の物語り+勝利の方程式

・勝利の物語り=その事業の成長、成功の肝となる部分を、文章で表したもの。

・勝利の方程式=その事業の成長、成功の肝となる部分を、数式で表したもの。

例えば、初期のころのラクスルでは、「勝利の物語り」で言うと、

・印刷ECのメリットである「安さ」を伝えるために「ワンコイン名刺」と銘打った100枚わずか500円という激安名刺を、スーパーで言う特売の卵(特売、客寄せ商品)的に提供した。

・そのまま「名刺だけ」の注文が繰り返されてしまうと商売的にかなり厳しいことになるが、注文の幅が「チラシ」にまで広がると事業として成立し始めることになる。

・このチラシの注文のうち、「大量」の注文をしたお客様は、刷ったチラシを「配る」ということに、きっと苦労をしているはず。

・だとしたら、印刷会社を束ねるビジネスモデルのラクスルは、新聞折込会社やポスティング会社などの「配る会社」を束ねることで、「刷って配る」という顧客の一区切りに合わせた価値提供を実現出来ることになる。

・結果、刷るだけだと1枚1円のチラシが、刷ってポスティングすることで1枚10円という、「顧客単価10倍」を手に入れることになる。

・果たして、500円のワンコイン名刺が10万円のポスティングにまで発展する、「ラクスルわらしべストーリー」がここに成立した。

・印刷を「ラクに刷る」ラクスルから、商売を「ラクにする」ラクスルに進化した瞬間である。

ってな感じです。

また、「勝利の方程式」で言うと、

・初月100人の人から印刷の注文が入ると、翌月はそのうちの30人が再度の注文をくれ、翌々月以降は20人が再度の注文を繰り返してくれて、その30人、20人、20人・・・の1年分を、ギュッとまとめると、100人のうち70人が再注文をしてくれていた。

・平均注文単価は1万円で、ただし、1万円の注文はほぼなくて、3千がたくさんと、5万円以上がパラパラで、結果1万円の平均となっている・・・などなど。(数字については、たくさんあるのと、当時と今で乖離があったり、公表していなかったりする数字が多いので、上記をもってあとは省略)

こんな感じで、勝利の物語りと、勝利の方程式を併せ持った「勝ち筋」は、とってもとってもとっても大事で、前述通り、この勝ち筋の解像度や力強さを磨き込んでいくことが、まさに事業進化そのものだったりするのです。

例えば、

・エンジェルラウンドは、手掛ける市場、やり切れる仲間、着手タイミングの3つが揃っていることで成立する。勝ち筋はまだ見えていない。

・シリーズAは、勝ち筋の原型が見えてきていることで成立する。勝ち筋の解像度や力強さで、Aの中身が決まってくる。

・シリーズBは、勝ち筋の勝ち度合いが見えてきていることで成立する。A同様の勝ち筋解像度や力強さ、そして実際の勝ちぶりで、Bの中身が決まってくる。

・シリーズCは、勝ち筋の華々しい勝ちぶりを錦の御旗に、IPOに向けたトドメの追加投資を行い、飛躍的なスケールを実現する。

ってな感じです。

ぜひ、国語(物語り)と、算数(方程式)、お大事に。

守屋実株式会社守屋実事務所

1992年ミスミ入社、新規事業開発に従事。
2002年新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口氏と創業、複数事業の立上げおよび売却を実施。
2010年守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立上げに参画、副社長を歴任後、博報堂、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA、AuB、みらい創造機構、ミーミル、トラス、JCC、テックフィード、キャディ、フリーランス協会、JAXA、セルム、FVC、日本農業、JR東日本スタートアップなどの取締役など、内閣府有識者委員、山东省人工智能高档顾问を歴任。
2018年にブティックス、ラクスルを、2か月連続で上場に導く。
著者に「新しい一歩を踏み出そう! 」(ダイヤモンド社)がある。

株式会社守屋実事務所

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