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0→1成功後の資金調達の極意~マジックナンバーという考え方~

0→1成功後の資金調達の極意~マジックナンバーという考え方~

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宮井 弘之

まず、これまでご紹介した新規事業部の立ち上げに必要な考え方についてお伝えしてきましたが、では、実際に、0→1ができたあとはどのように1→10を目指して進めていけばよいのでしょうか。

そこで今回は、PoC、PoBをおこなって成功し、2、3億円くらいの売り上げになったときに、そこからどのようにスケールをさせていくのかという点について解説します。

よくいわれるのが、売り上げも社員も5億円くらいまでは社長の人間力でなんとかなるということです。

基本的に1→10を目指す際は、いくらお金をかけるとどれくらいの売り上げが出るかというKPIが分かる状態です。

たとえば、「〇円の費用をかけると、ユーザーが〇人増え、そのうち有料ユーザーが〇人、有料ユーザーは何カ月に1回購入し、そのときの平均客単価が〇円……」というデータがだいたい把握できている必要があります。

この数字が見えてくると、個人の人間力ではなく組織で回していけるようになります。

では、どのようにスケールのためのお金を出してもらうかというと、基本的にベンチャーが資金調達をする場合とまったく同じ方法です。大企業の中の新規事業部の方は、親会社をベンチャーキャピタルや資本家だと思って資金調達をしましょう。

0→1が成功し、親会社から資金調達したい場合、まず、目標としたい売り上げに対してそれ相応の投資がかかるということを説明しなければいけません。

たとえば、ここから50億の売り上げを目指したいのであれば当然、10億、15憶の資金が必要になりますが、出せないと言われた場合、「人間力では5億が限界ですが、PoCAが成功しているので、10億投資すれば、50億、100億のビジネスにすることができます」と説得します。

会社としてどのくらいの売り上げを目指すかにもよりますが、大手企業が50億、100億のビジネスに育てたいのであれば、相応の金額は必要です。

つまり、0→1がうまくいった新規事業部の担当者は、とにかく「お金をこのくらいかければ将来このくらいの売り上げが見込めて、このくらいの利益が出る」というマジックナンバーを見つけることが重要です。

事例ベースでお話すると、たとえばネット系の会社で、最近上場したラクスルやサンサンの決算報告書を見ると、販売管理費の割合がかなり高いことが分かります。何故こんなに広告を打っているのか、それはユーザーを爆発的に増やすためです。当然今は赤字になっていますが、100億、1000億のビジネスを目指すために、今ユーザーを獲得しておけば、将来的に利益につながっていくというマジックナンバーをもっているからです。

ユーザーを競合に取られてからでは意味がないため、今投資してユーザーをためていけばマジックナンバーにしたがって利益は増えていきます。ユーザーが増えたところで販管費をおさえれば、すぐに黒字転換しますと説明すれば資金調達できるわけです。

これと全く同じことを新規事業部の担当者はやっていく必要があるのです。

よく「資金調達ができない」「会社が応援してくれない」という声を聞きますが、まずは会社には「マジックナンバーが何なのか」という話をしなければいけません。これがなければ人間力で5億を目指すのが限界です。

実際、5億円までであれば、あまり仕組みがなくても頑張って営業をすればなんとかなりますが、5億円を超えていきたいのであれば仕組み化する必須です。そのときにお手本にすべき考え方が「マジックナンバーがあるから、今は赤字でもマジックナンバーに沿って広告費をかけて客を増やしていけば黒字転換する」という先ほどの2社の事例なのです。

資金調達に成功している会社は必ず「いくらお金をかけるとどれくらいの期間でどのように利益が出る」というマジックナンバーを持っています。

マジックナンバーは、企画当初から出てくるものではありませんが、どんな業種であれ、必ず使ったお金の原因と結果はつながっているので、自分でどこに投資をしたからこの利益が出たのかは常に考える必要があります。

本記事で紹介した内容は弊社blogでも詳しく解説していますが、発売中の『CORPORATE STARTUP BIBLE』でさらに詳細に解説しています。新規事業推進でお悩みの担当者さまはぜひお手にとっていただければ幸いです。

語り:宮井 弘之。SEEDATA代表。

構成・文:松尾里美。SEEDATAエディター。

宮井 弘之株式会社SEEDATA

2002年、博報堂に新卒入社。情報システム部門に配属後、博報堂ブランドイノベーションデザイン局へ。新商品・新サービス・新事業の開発支援に携わり、2015年に社内ベンチャーであるSEEDATAを創業。   【株式会社SEEDATAについて】 2015年に博報堂DYグループ内に設立され、300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークを企業に展開。 “先進的な生活者群(=トライブ)の行動や発言に、隠された心理や価値観を発見することで、5年先の生活者ニーズを明らかにすること”を、ミッションに掲げる。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチで、クライアント企業のイノベーション支援を手がけている。

株式会社SEEDATA

代表取締役CEO

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  • 松井 猛

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