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HR Techで未来を切り拓くOIプロジェクト5選

HR Techで未来を切り拓くOIプロジェクト5選

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人事関連業務のことをHR(ヒューマンリソース)と呼ぶようになって久しくなりました。HRをめぐる動きは近年なにかと活発で、わかりやすいトピックで言うと有効求人倍率が高止まりしている点などがあります。2019年度の有効求人倍率は1.6倍となっており、バブル期の1.46倍よりも高い水準に達していることから、「仕事を探す側」としては良い条件ですが、「雇う側」としては競争が激化しているとこにほかなりません。

その他にも、「採用マーケティング」や「採用広報」といったように業務が細分化し、専門性の高いスキルが求められるようになりました。さらに、雇用形態の多様化しているため、既存路線に乗っかって正社員ばかり採用するわけにもいきません。こうした新たな人事の課題をデータやテクノロジーで解決する動きをHR Techと呼びます。

働き方改革の波に加えて昨今のコロナショックも重なり、テレワークの導入が急激に進んでいます。そのためHR業務にも否応無しにDXの波がおとずれていることも、HR Techが求められる要因になっているでしょう。

今回の「未来を切り拓くOIプロジェクト」では、共創によってHR Techをドライブするオープンイノベーションの事例を5つ紹介します。

関連ページ:【2020年版】有効求人倍率とは? 全国・都道府県・職種別推移から転職事情が分かる!|マイナビ転職

HR Techの市場規模は2023年に2504億円と2019年の約2倍に成長見込み

調査会社シード・プランニングは、HRテクノロジーに関する動向レポートを2019年12月に公開していますが、その中でHR Tech市場は2023年に2504億円まで成長すると見込まれています。

2019年の市場規模が1199億円なので、数年の間でおよそ2倍に達する急成長が期待されている分野です。勤怠・労務・給与管理などの領域においてクラウドサービスの普及が進んでいること、行政サービスとのIT連携も活発化していることが要因とされています。

また一方で、前述したようにコロナショックの影響によって、HR業務の効率化・省人化を求めるHR Techのニーズは急速に引き上がっていくことも予測されます。それに伴い、市場規模も予測以上に拡大していく可能性もあるでしょう。

出典:シード・プランニング、HRテクノロジーの市場規模を算出

HR Techの共創事例の紹介

では、HR Tech領域で既に進行している共創事例について紹介していきます。

●【キャスター×note】広報業務を一括アウトソースする「note pro for HR」

リモートワークによる新しい働き方を提供するキャスターと、クリエイターメディアプラットフォームのnote(ノート)は共同で広報業務を一括アウトソースするサービス「note pro for HR」を2019年3月にリリースしました。

「note pro for HR」はnoteの法人利用パッケージ「note pro」を利用する企業の採用広報業務を支援するサービスです。

キャスターは2020年4月にSTRIVE、山口キャピタルから6億円の資金調達を実施しており、リモートワークを更に普及させる動きを進めています。

関連記事:キャスターが総額6億円の資金調達を実施し、リモートワークの普及を加速

関連ページ:キャスター、ピースオブケイクと業務提携。noteを活用した採用広報業務の一括アウトソースを実現する 「note pro for HR」を共同提供開始

●【ココドル×DMM】複業HRマッチングサービスへの出資

合同会社DMM.comが展開するマイノリティ出資の取り組み「DMM VENTURES」にて、HRマッチングサービス 「ハッシュミー」を運営するココドルが第4号案件の出資先となりました。

ココドルは2017年に創業者の櫻井楓氏が新卒で立ち上げた企業で、同社が運営するハッシュミーはLINEで簡単に案件応募できる複業マッチングサービス。DMMは櫻井氏を「創業者の櫻井氏は25歳とまだ若いながら、成長に貪欲で実行力溢れる優秀な起業家」と高く評価しており、今後のHR Techにインパクトを残せるか注目が集まります。

関連記事:DMM VENTURES | ココドル、Bisu, Inc.、ジャパンヘルスケアの3社への出資を決定

●【タイミー×西鉄】西鉄バス沿線の人手不足解消に向けた「スマートバス停」

スキマ時間でバイトができるアプリ「Timee(タイミー)」を運営するタイミーと、西鉄グループは2019年12月、協業で西鉄バス沿線の人手不足解消を目指し「スマートバス停」の取り組みを開始すると発表しました。

スマートバス停は西鉄グループとYE DIGITALが展開するIoT技術を搭載した高機能なバス停。今回の取り組みでは、スマートバス停を活用してTimeeアプリのダウンロード促進・バイト時のバス利用促進の共同プロモーションを実施するというものです。

将来的には、スマートバス停で沿線の企業や店舗の求人情報をリアルタイムに確認できる機能も搭載する予定とのことで、働き手の不足を補う動的なシステムとして活用できる可能性に期待がかかります。

関連記事:西鉄グループ×タイミー|西鉄バス沿線の人手不足解消に向けた取り組みをスタート、「スマートバス停」を活用

●【ディップ×N2i】面接日程調整に特化した「面接コボット」

アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を運営するディップと、人工知能システムやHRTechのソリューションサービスを開発・提供する、N2i(エヌツーアイ)は2020年4月、資本業務提携に合意したことを発表しました。

両社は既にアルバイト求人の面接日程調整に特化した「面接コボット」をリリースしていて、今後もコボットシリーズの開発強化やN2iのHRTech領域のシナジー創出の可能性を探っていくとのことです。

関連記事:「バイトル」のディップとRPA技術やチャットボット開発のN2iが資本業務提携

●【パソナ】34企業が参画するオープンイノベーション連合『HRDX』

パソナグループのベネフィット・ワンはHR Tech、Health Tech、Ed Tech等のサービスを提供する企業34社(2019年12月時点)と連携し、データやテクノロジーを活用した“日本の人事改革”の推進を目的に、オープンイノベーション連合『HRDX』を、2019年12月に発足しました。

HR Tech分野からはアトラエ、OKAN、シンクスマイル、スタメン、SmartHRなど17企業が参加しており、セールスパートナー、マーケティングパートナー、インテグレーションパートナーのプログラムをそれぞれ実施します。

関連記事:”日本の人事改革”を推進――34企業が参画するオープンイノベーション連合『HRDX』が発足

【編集後記】企業の心臓部として高度に発展するHR

一昔前のイメージでは、人事に求められる能力は自社へのエンゲージメントの高さやコミュニケーションといったスキルでした。しかし、人材獲得の競争が激化する中で、それらの能力に加えてテクノロジーの理解や広報、マーケティングの知識も求められています。

人材獲得、育成できなければ事業の成長は見込めないので、まさにHRは企業の心臓部としての役割を担う重要ポジションとなりつつあります。

(eiicon編集部)

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