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新規事業立ち上げに必要な3つのスキル

新規事業立ち上げに必要な3つのスキル

宮井 弘之

前回は新規事業の立ち上げに必要なスキルとして自分はどのタイプかを見極めるフレームワークをご紹介しました。

こちらとは別に、今回は、社内起業でも社外起業でも共通で身に着けなければいけないスキルを解説します。

新規事業立ち上げに必要な3つのスキル

①会計系のスキル

最低限、PL、BS、キャッシュフローは避けて通れないので勉強しておくしかありません。

ファイナンスはやってるうちに覚えるため、最初から勉強する必要はありませんが、自分にあまり知識がない場合、ファイナンスの用語を駆使して騙そうとしてくる人がいるので注意が必要です。

②ビジョニングのスキル

ビジョニングは人に希望をいだいてもらうスキルです。

これは人によってスタイルが異なり、魅力的に話せたり、資料を作りこんだり、自分なりのやり方で希望をいだかせる必要があります。

たとえば、社員のキャリアパスにあわせて、「ここにいれば実現できそうだ」と感じてもらうことも希望をいだかせることです。また、社外の人なら、「アライアンスを組んだり一緒に商品を作れば目標が達成できそうだ」という嬉しさを感じさせることもこのスキルに含まれます。

そこをちゃんと伝えるというスキルは、販売よりでも生産よりでも必ず身に着けなければいけない大切なスキルです。

③細かさと鈍感さ

もうひとつ、認知的な能力として必要なのは、細かくみなければいけないところと鈍感なところのバランスです。

たとえば、商品を開発して売る場合、細かく把握しなければいけませんが、一方でそれをなんでも社員に細かく指示しているようでは会社は大きくなりません。

鈍感に人に任せるところと、細かく要所をしめるところの両方をバランスよく使い分けることがスキルとしては必要ですが、それを身に着けるためのフレームワークは実は明確には存在しないのです。

とにかく、経営者や社内起業、社外起業でも、細かさと鈍感さのどちらかではなく、必ず両方を使い分けなければうまくはいかないということを理解したうえで、あとはその時々によって細かくやったほうがいいのか、鈍感に過ごしたほうがいいのか経験してみるしかありません。

鈍感という面では、起業すると、とにかく人からいろいろと言われるため、取捨選択するという強い意志が必要です。社員含めて、人の言うことをいちいち聞いていては会社はいつになっても前に進みません。聞かないところは聞かないと判断できる心構えを持つことが重要です。

また、自分は判断することが苦手だという人が鈍感さと細かさのバランスのスキルを身につけるひとつの方法としては、「今日はこういうことを言われた」という日記をつけ、何日かして振り返り、「これは捨てる、これは捨てない」と取捨選択することです。

私はそもそも得意なので感覚的に判断して苦しくありませんが、週に1回、毎月1回でもよいので振り返り、「自分はどれを取りどれを捨てるのか」ということを意識して生きていくとスキル化できるようになります。

新規事業立ち上げ序盤はこういったスキルを意識しましょう。

さらに、社内起業に限っていうと、上申のスキルがなくて苦労しているという人をよくお見掛けします。

社内起業を目指す場合、上司への説明が必要ですが、上司は基本的には起業したことがない人たちばかりなので、理解してもらうのは一筋縄ではいきません。

このときに必要なスキルは、言われたことに対して、大事なことは書き留めておき、解決ではなく1つずつ優しく説き伏せることです。

何故なら、社内の人は起業に関してはど素人なので、基本的に言うことを聞く必要はありませんが、その人たちの持つ疑問は素人ならもっともな疑問なので、一つ一つ返していくというルーチンワークは必要です。

具体的なアクションとして、2週に1回程度こまめに報告し、素人ならではの意見や質問を聞いたら、次の回には前回の質問に優しく返すことがいつしか上申資料のもととなり、あとはそれをまとめあげてやりたいことを説明すればよいのです。

これが社内起業家の社内政治の基本動作で、そうすると、社内の中でも大きなことがやれるようになります。

この上申を面倒くさがり怠った社内起業家はほぼいなくなっています。上司は起業したことのない素人だということを踏まえたうえで、コツコツ返していくことが上申スキルとしてはとくに大事です。

本記事で紹介した内容は弊社blogでも詳しく解説していますが、発売中の『CORPORATE STARTUP BIBLE』でさらに詳細に解説しています。新規事業推進でお悩みの担当者さまはぜひお手にとっていただければ幸いです。

語り:宮井 弘之。SEEDATA代表。

構成・文:松尾里美。SEEDATAエディター。

宮井 弘之株式会社SEEDATA

2002年、博報堂に新卒入社。情報システム部門に配属後、博報堂ブランドイノベーションデザイン局へ。新商品・新サービス・新事業の開発支援に携わり、2015年に社内ベンチャーであるSEEDATAを創業。   【株式会社SEEDATAについて】 2015年に博報堂DYグループ内に設立され、300を超えるプロジェクトでオリジナルの知見とネットワークを企業に展開。 “先進的な生活者群(=トライブ)の行動や発言に、隠された心理や価値観を発見することで、5年先の生活者ニーズを明らかにすること”を、ミッションに掲げる。主に「インテリジェンス事業」と「インキュベーション事業」の2つのアプローチで、クライアント企業のイノベーション支援を手がけている。

株式会社SEEDATA

代表取締役CEO

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