全ての子どもがプログラミングを楽しむ国にする。
こんにちは。新規事業の専門職の守屋です。
前回は、「障がい者が主役」という事業の立ち上げについて書かせていただきましたが、今回は、「子供が主役」という事業の立ち上げについて、書いてみたいと思います。
・特定非営利活動法人みんなのコード
・https://code.or.jp/
代表理事の利根川さんは、ラクスルの共同創業者だったりします。ラクスルの基礎をつくり、創業期を支えたのちに、みんなのコードを創業。ラクスルの創業もスゴいのですが、このみんなのコードの創業も、とってもスゴいです。先見の明と言うか、絶妙なタイミングを捉えての立ち上げ、強い想いと診立て力、努力を厭わずに、みなを巻き込む。その結果、例えば以下は、Googleのプレスリリースからの一節。
・Google は 2018 年から特定非営利活動法人「みんなのコード」への支援を通じて、小学校での情報科学教育の義務化に向け、数千人規模の教員養成プログラムを提供しています。
・今回、 Google.org よりみんなのコードに新たな助成金 100 万ドル (約 1 億円)を追加提供することで、同プログラムを拡充し中学校の先生方にも展開します。
設立5年目のNPOへの支援としては、異例なのではないかと。では、そのみんなのコードは、何を目指しているのか?
・ミッションは、「全ての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」。
・「全ての子どもが」=2020年度からの次期学習指導要領での、小学校プログラミング必修化を控え、まずはすそ野を広げ、その後層を厚くします。
・「プログラミングを楽しむ」=小学校段階においてのプログラミングは、「〇〇思考」や「〇〇構文」を覚えるより、「楽しむ!」が大事だと考えています。
・「国にする」=主要都市周辺だけでなく、日本中にプログラミング教育の輪が広がっていくことを目指しています。
でもって、これを実現するにあたって、いろいろ考えなきゃいけなくて、やらなきゃいけなくて、例えば、
・全国40万人の小学校の先生は、一般的にITへの関心やITリテラシーが低い。
・運悪く、IT嫌い(苦手)な先生にプログラミングを教えられたら、必修化によってプログラミング嫌いの子供が量産されてしまうかも知れない。(←これは守屋の私見)
・なので、自律的にプログラミング教育を指導できる質の高い「プログラミング指導教員」の育成に取り組んでいる。
・8万人が利用する無償プログラミング教材「プログル」や小学校の先生向けプログラミング教育の実践事例集「プロカリ」を提供。
・プログラミング教育を担う先生方向けの「プログラミング教育明日会議」「プログラミング指導教員養成塾」の開催など、小学校での「プログラミング必修化」に向けた取り組みを幅広く支援。
とかとかです。
「株式会社」でなく、「一般社団法人」であるプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会もアグレッシブですが、「NPO」であるみんなのコードも、負けず劣らず、とってもとってもとっても、アグレッシブなのです。
資本主義である我が国では、株式会社を立ち上げることが一番わかりやすく、そして広まっていますが、必ずしもそうではない立上げも広まっていき、それぞれが、個性を競い合うようになると良いなぁ、と思っています。
守屋実株式会社守屋実事務所
1992年ミスミ入社、新規事業開発に従事。 2002年新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口氏と創業、複数事業の立上げおよび売却を実施。 2010年守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立上げに参画、副社長を歴任後、博報堂、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA、AuB、みらい創造機構、ミーミル、トラス、JCC、テックフィード、キャディ、フリーランス協会、JAXA、セルム、FVC、日本農業、JR東日本スタートアップなどの取締役など、内閣府有識者委員、山东省人工智能高档顾问を歴任。 2018年にブティックス、ラクスルを、2か月連続で上場に導く。 著者に「新しい一歩を踏み出そう! 」(ダイヤモンド社)がある。
株式会社守屋実事務所