
経験値が、活きる。
こんにちは。新規事業の専門職の守屋です。
前回は、「子供が主役」というビジネスについて書きましたが、今回は、そういった「個別の経験値」ということではなく、量稽古から得ることの出来ること、つまり、「経験値が活きる」について、書いてみたいと思います。
・ミスミ、ラクスル、CADDi、シタテル
・https://www.misumi.co.jp/
・https://corp.raksul.com/
・https://caddi.jp/
・https://sitateru.com/
これ、このブログの「3本目」に書いた、「ミスミモデル」で書き出した4社です。
ミスミは機械工業系、ラクスルは印刷、物流、広告、CADDiは板金加工、シタテルは衣服生産。扱っているものが違い、顧客も被ったり被らなかったりなのですが、それでも事業モデルの骨格と言う点では「重なりの大きい事業」だと、少なくとも守屋の視点では、そう見えたりしています。
でもって、似ている部分が多いと言うことは、つまり「経験値が活きる点がある」と言うことで、守屋的には、3つあるのではないかと思っています。
・直接的に、経験値が活きる。
・間接的に、経験値が活きる。
・占師的に、経験値が活きる。
この中身の詳細は以前(3本目)のブログに譲るとして、いずれにしても経験値が活きるので(活きると思っているので)、チャレンジを増やしています。
今回は、そのなかで、参画をさせてもらっている、
・ガラパゴス、日本農業。
・https://airdesign.ai/
・https://nihon-agri.com/
について、書かせていただきたいと思います。
ガラパゴスは、国内最大級のスタートアップカンファレンスICC KYOTO 2019スタートアップ・カタパルトの初日に、準優勝をさせてもらいました。日本農業は、同じく、2日目に、優勝をさせてもらいました。
どちらの事業も、中平さん@ガラパゴス代表、内藤さん@日本農業代表、そして二人を支えるそれぞれの仲間、お取引様、お客様あってであり、守屋はオマケ中のオマケでしかないのですが、それでも、これまでの事業経験からいくぶんくらいは役に立つところがあるかも、と思っています。
ガラパゴスは、今夏から始めた主要サービス「AirDesign」がそれに該当します。「AIでデザインを空気のようにカンタンに」を掲げ、現在は、「ロゴ制作とLPサイト制作」の分野において、AIを活用した高品質デザインを短納期でお届けしています。どのへんで、これまでの経験が活きるのかなのですが、これ、守屋の立場からすると、「デザインという100年変わらないできた伝統的な産業に、AIを持ち込み、産業構造を変え、より良い世界を実現していきたい」というチャレンジなのです。
ちなみにラクスルは、「印刷、物流、広告と言うデジタル化が進んでいない伝統的な産業に、インターネットを持ち込み、産業構造を変え、より良い世界を実現している会社」だったりします。なんか、似ていません?
日本農業は、「日本の農業が抱える根本の課題は、販売先市場が国内に限定されていることである」という診立てのもと、「輸出によって、豊作貧乏をゼロに。“良いもの”を作れば作るほど儲かる農業への構造転換を」ということを考えています。これ、なんでもない話しで、今の時代、海外を考えないビジネスとかって何なんだろう、って話ですが、でも、規制に守られて変わらない(変われない)業界の代表のような農業は、国内閉じていて、且つ、産業構造が横に分断されていました。品種獲得、生産、調達、選果、輸送、マーケ、販売というバリューチェーンが分断されているのです。日本農業は、この「水平分業されて成立していた産業構造を、垂直統合して産業構造を変換、知財とセットで海外市場に差別化商品として提供出来るようにしている」のです。
ちなみにラクスルは、「大企業中心に垂直統合で成立していた産業構造を、プラットフォーム中心に水平分業された産業構造にアップデートする」と言っています。縦にまとめるか、横に切り直すかの違いはありますが、どちらも、旧来の産業構造の転換にアプローチしています。
「重なり具合」は、どの視点から見るかによって、重なっているように見えたり、見えなかったりかもですが、守屋の視点で言うと、「旧来の産業構造転換にアプローチ」という点で、これまでの経験値がいくぶんなりとも役に立つような、そんな景色に見えていたりするのです。
ってか、だったら役に立て、と言うことなので、頑張りますっ!

守屋実株式会社守屋実事務所
1992年ミスミ入社、新規事業開発に従事。 2002年新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口氏と創業、複数事業の立上げおよび売却を実施。 2010年守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立上げに参画、副社長を歴任後、博報堂、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA、AuB、みらい創造機構、ミーミル、トラス、JCC、テックフィード、キャディ、フリーランス協会、JAXA、セルム、FVC、日本農業、JR東日本スタートアップなどの取締役など、内閣府有識者委員、山东省人工智能高档顾问を歴任。 2018年にブティックス、ラクスルを、2か月連続で上場に導く。 著者に「新しい一歩を踏み出そう! 」(ダイヤモンド社)がある。
株式会社守屋実事務所